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関口 哲弘; 馬場 祐治; Li, Y.; Ali, M.
Photon Factory Activity Report 1998, Part B, P. 67, 1999/11
放射光のX線エネルギーを変化させることにより特定の元素の内殻電子準位を選択的に励起することができる。これは、例えば、ディジタル・エッチング(薄膜吸着→光照射(反応)薄膜吸着→…を単分子レベルで進行させようというアイデア)に応用できる可能性がある。本研究では表面励起とバルク励起の選択性を見積もるため、シリコン(Si)基板上にイオウ(s)化合物((CHS))を吸着させた系に対し、基板(Si 1s)励起と吸着種(S 1s)の内殻励起により引き出される解離反応を調べた。放射光照射により生じるイオン脱離生成物を四重極質量分析により検出した。結果としてはイオウ原子イオンがあるイオウ内殻共鳴励起で生じ、基板Si励起では検出限界以下という大きな選択性が観測された。励起される吸着分子の数は歴される基板原子数に比べ数桁も小さいにもかかわらず、生成収量は大きいという非常に高い選択性が示された。